九九はいつからある?歴史と海外での掛け算の違い

こんにちは!アルファゼミナールです。

日本では小学校2年生で「九九」を暗記するのが一般的ですよね。

しかし、この「九九」という掛け算の覚え方は、日本特有のものです。実は世界には、日本の九九とは異なる形で掛け算を教えている国が多く、興味深い歴史や文化が隠されています。今回は、九九の起源と、他国での掛け算の教え方について詳しくご紹介します。


九九の歴史:古代中国から日本へ

日本の「九九」は、紀元前770年から紀元前403年頃の古代中国に端を発しています。中国での九九は、役人が税の計算を効率的に行うための実用的な技術として発展しました。この知識が奈良時代に日本へ伝わり、日本でも同様に日常計算や税の計算で役立てられたとされています​。

日本最古の「九九」に関する資料は、奈良県の藤原京跡から出土した木簡に記されています。この木簡には、3つの掛け算の計算式「九九八十一」「四九三十六」「六八四十八」が記されており、現在の九九のように「九九、八十一」という順で記載されていました。この一覧表は、役人が効率よく計算するためのツールとして使用されていたと考えられています。


日本の「九九」とは?

日本の九九は、**「2×1が2、2×2が4」**といったリズミカルな読み方で覚える暗記法です。これは、9×9までの81通りの計算式を順番に覚える方式で、日本の算数教育において基礎中の基礎とされています。日本の九九は、暗記に時間がかからず、計算を速くするために実用的なメリットがあり、いかにも「暗記教育」を重視する日本文化を反映しています。


異文化における掛け算表の違い

イギリスとアメリカの「タイムズ・テーブル」

イギリスやアメリカの算数教育では、日本の九九に該当するものとして**「タイムズ・テーブル(Times Table)」が使われます。イギリスでは12×12までの掛け算表**が一般的で、これはかつて生活に多く根付いていた「12進法」に由来しています。イギリスでは九九のように暗記するのではなく、掛け算表を見て答えを探す形式で教えられることが多く、暗記に頼らずに表から確認する方法が主流です。

インドの「二十の段まで覚える九九」

インドでは、日本の9の段までではなく、なんと20×20まで暗記します。これは、日常的に二桁同士の掛け算が使われる場面が多いためで、頭の中で簡単に二桁の掛け算を解けるよう、子供のころから長い段を覚えることが推奨されています。また、インドの一部地域では、さらに進んで99の段まで覚える学校もあるため、非常に計算力が鍛えられると言われています。

フランスの「ボエティウスの表」

フランスなどのヨーロッパの一部地域では、「ピタゴラスの表」や「ボエティウスの表」と呼ばれる掛け算表が使われてきました。これは、1から10までの掛け算を視覚的に表したもので、掛け算を「表」から調べて使う形式です。特にフランスの教育では、指を使った掛け算法や、簡単な計算に頼った学習法も取り入れられています​。


世界の掛け算表から見える「教育スタイル」の違い

これらの掛け算表の違いから、各国の教育方針が見えてきます。

  • 日本は効率的に暗記することを重視し、日常の計算で役立つ「覚え方」を伝えています。
  • インドは実践的な計算力を養うため、より広範囲の掛け算を覚えるように教育します。
  • アメリカやイギリスでは、表を見て計算をすることで、計算式の理解を優先し、暗記の負担を減らすスタイルが採用されています。
  • フランスでは視覚的に学ぶ方法が取られ、指を使って補助的に計算をする工夫も見られます。

まとめ:九九は国ごとに違うが、その目的は同じ!

掛け算の覚え方一つをとっても、国や文化ごとに大きく違いが見られます。しかし、どの国でも、算数の基礎をしっかりと身につけ、日常生活や社会において使える計算力を育てることが目的です。今後、世界の掛け算教育がどう進化していくか、興味深いところです。次回算数の授業で九九を唱えるときには、他国の面白い掛け算表にも思いを馳せてみてください!



この記事を書いた人

アルファゼミナール K.T