「“越後”と“新潟”の違いって何? 地名から学ぶ日本の“くに分け”の歴史」

こんにちは!アルファゼミナールです。

今回は、「越後」と「新潟」って何が違うの?という素朴な疑問から、日本の歴史や地理について一緒に学んでいきましょう。


■「越後国」ってどこ?

昔の日本には、「県」ではなく「国(くに)」という単位で土地が分けられていました。
今の新潟県の大部分は、かつて**「越後国(えちごのくに)」**と呼ばれていたエリアです。

さらに、新潟県にはもうひとつの国——**「佐渡国(さどのくに)」**もありました。
このように、ひとつの県に複数の「国」があったことも珍しくありません。


■では「新潟」はどこから来た?

「新潟(にいがた)」は、江戸時代に港町として栄えた地名のひとつです。
阿賀野川の河口付近に新しくできた潟(かた)=浅瀬が「新潟」と呼ばれるようになったのがはじまりとされます。

明治時代、**廃藩置県(はいはんちけん)によって「藩」が廃止され、「県」という現在の行政区分が整備されました。
そのときに、越後国・佐渡国などをまとめた新しい県名として、この
「新潟」**の名が選ばれたのです。


■なぜ「越後県」じゃなくて「新潟県」になったの?

当時の政府は、新しい国づくりの象徴として、“近代的で中立的な名称”を好んでいました。
「越後」は古代からの地名である一方、「新潟」は当時の交通・経済の中心地。
港町として栄え、開港五港(函館・神奈川・長崎・兵庫・新潟)のひとつにも選ばれていた新潟は、
“新しい時代の顔”としてふさわしいと考えられたのです。

➡ つまり、「新潟県」という名前には、近代化のスタート地点としての意味合いも込められていたのです。


■教科書とつながる“くに”の知識

この話は、学校で習ういろいろな教科とも深く関係しています。

  • ■日本史 → 廃藩置県、明治維新の制度改革

  • ■地理 → 地名の成り立ちと行政区分

  • ■公民 → 国と地方の関係、自治体の役割

「名前の違い」に気づくだけで、学びの世界がどんどん広がるんですね。


■おわりに:地名は“歴史の記憶”

「越後」と「新潟」の違いを知ることで、私たちの暮らす土地がどんな歴史をたどってきたのかが見えてきます。
地名には、先人の暮らしや自然との関わり、社会の変化がしっかりと刻まれているのです。

アルファゼミナールでは、教科書の知識を“地元の話題”とつなげながら、
「学びの実感」を大切にした授業を行っています。


次回は、「しばた城と学びの歴史」や、「雪国・新潟と暮らしの知恵」など、
地域と教養をつなぐテーマを予定しています。お楽しみに!では!



この記事を書いた人

アルファゼミナール K.T