「なぜ“書く勉強”が一番記憶に残るのか?|科学的に見る“手の学習効果”」

こんにちは!アルファゼミナールです。

最近では、タブレット学習やスマホアプリで勉強する生徒が増えています。
とても便利な時代になりましたが、実は “書く勉強” にこそ、科学的に見て記憶が定着する大きな理由があるのをご存じでしょうか?

今回は、「なぜ手を動かして勉強すると記憶に残るのか?」を脳科学の観点から解説します。


① 「手を動かす」と脳が動く!海馬が活性化するメカニズム

人が新しい情報を覚えるとき、脳の中で重要な役割を果たすのが 「海馬(かいば)」 という部分です。
海馬は短期記憶を長期記憶に変える“記憶の中継地点”のような存在。

そして、手を使って書く行為 はこの海馬を強く刺激します。

  • 書くときに「目で見て」「手で動かして」「頭で考える」

  • 複数の脳領域(運動野・視覚野・前頭葉・海馬)が同時に働く

  • 結果として、記憶の回路が太く・長く残る

👉 アメリカの心理学研究(UCLA, 2014)でも、「ノートを手書きした学生は、パソコンで打ち込んだ学生より内容理解・記憶力が高かった」と報告されています。


② “書く勉強”が記憶に強い理由3つ

① アウトプット効果

自分の手で書く=「頭の中の情報を外に出す」行為。
つまり 脳に“再確認の命令”を出している 状態です。
人はインプットよりもアウトプットした情報の方が長く覚えられます。

② 空間記憶の活用

手書きノートは「どのページの右上に書いたか」など、位置情報(空間記憶) とセットで覚えます。
この“場所の記憶”が、テストで思い出すときのヒントになります。

③ 思考の整理効果

書きながら考えると、脳は自動的に「重要」「不要」を選別します。
このプロセスが 理解力と論理力 を育てます。


③ タブレット学習では得にくい“身体感覚”の記憶

もちろん、タブレットやデジタル教材にも利点はあります。
ただし「記憶に残す」という観点では、“指でタップする”より“手で書く”方が圧倒的に強い刺激になります。

これは 「運動記憶」 と呼ばれるもので、
文字を書くときの筆圧・リズム・形の動きそのものが、脳に記憶の“型”を作ります。

✏️ 「英単語を100回書いて覚えた」
→ それは単なる根性ではなく、“神経回路を繰り返し通した”学習です。


④ 効果的な「書く勉強法」3選

🧾 1. “書いて覚える”より“書いて整理する”

単語をひたすら書くのも大事ですが、ノートの中で

  • 重要語を赤ペン

  • 自分の言葉でまとめ

  • 間違いを追記
    といった「思考の整理型ノート」にするのが理想です。

🧠 2. テスト形式で“思い出し書き”

答えを見ながら書くのではなく、一度閉じて書く
“思い出す”プロセスで記憶が定着します。

⏰ 3. 書いた内容を翌日・3日後・1週間後に見返す

記憶は「繰り返すたびに強くなる」=“エビングハウスの忘却曲線”を意識。
書いたノートを繰り返し見ることで、脳が「重要情報」と判断します。


⑤ まとめ|“書くこと”は最強の記憶法

  • 手を動かすことで脳の「海馬」が活性化 → 記憶定着率UP

  • 書く勉強は「アウトプット+空間記憶+思考整理」が同時に起こる

  • タブレット学習では得にくい“身体感覚”が記憶を助ける

  • 書いたノートは「思い出す練習」に使うと効果倍増

アルファゼミナールでは、タブレット学習も取り入れつつ、
「手を動かす・考えて書く・見返す」 学習サイクルを大切にしています。

勉強に行き詰まったときこそ、まず“ノートとペン”に戻ってみましょう。
それが記憶を定着させる、最もシンプルで強力な方法です。




この記事を書いた人

アルファゼミナール K.T